「毎日頑張ってカロリー制限をしているのになかなか痩せない!」
このようにダイエットのために、過度な食事制限や大好きな食事も我慢して食欲が満たされずストレスが溜まっていませんか?
ダイエットを始めたけど途中でやめてしまうのは、ほとんどこういった無理な食事制限によって耐えれなくなることが原因です。ダイエットは継続しなければ意味がありません。
食事制限でギブアップしそうな人は低GIダイエットがオススメです。過度なカロリー制限はせずに食べ方を変えるだけで誰でも簡単に痩せることができるからです。
カロリー制限で痩せない人向けに、低GIダイエットの効果と方法(やり方)を具体的に解説致します。
目次
なぜカロリー制限でなく低GIダイエットが効果があるのか
低GIについて日本ではまだ馴染みが薄いようですが、ダイエット先進国である欧米では重要視されており近年研究もかなり進んでいます。
その研究ではダイエットにおいて、カロリー制限ではなく糖質に目を向けるべきとされています。
海外のスーパーなどで売られている食材には、含有カロリーよりも「GI値」について明記されていることの方が多いくらいです。
糖質をコントロールするには「GI値」をコントロールすることと密接に関わっているからです。
肥満の原因は脂質でなく糖質だという事実
日本では若者を中心に「食の欧米化」が進んでいると言われており、メタボ対策で脂質過多の食生活の改善がいたるところで叫ばれています。
しかし、下の図の様に世界的に見てもアメリカの肥満率が最も高く、日本の肥満率は韓国とほぼ同立で1番低くなっています。
世界的に見た日本の肥満率推移
出典:http://www.noo.org.uk/uploads/
また、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」での調査によると、男女共にほとんどはPFCバランスにおいて脂肪摂取エネルギー比率を25%以内におさえているという結果があります。
食の欧米化が進んでいるのに思ったよりカロリー過多になっておらず、カロリーに関してはむしろ理想的な数値を推移しています。
P:タンパク質=15%
F:脂質=25%
C:糖質=60%
とされています。
日本人はカロリーよりも糖質を摂り過ぎが肥満の原因になっている
ところが、全人口に占める糖尿病人口の割合は、アメリカの8.0%に対して日本は12.5%と高く年々増え続けているとのことで、日本人は体格に対して必要な分以上の糖質を摂り過ぎているということがわかります。
アメリカも同じように、糖質過多になってきている
また別の調査での全米健康調査(NHANES)によると、PFCバランスの推移は以下の様になっています。
1971年 P:20.7%,F:36.9%,C:42.4% 肥満率:14.5%
↓ ↓ ↓ ↓
2000年 P:18.2%,F:32.8%,C:49.0% 肥満率:30.9%
米国人は約30年間で、脂肪摂取率は4.1%減ったが肥満率は16.4%増えたということになります。
ダイエットにはカロリー制限よりも糖質のコントロールが大事
これらのことから肥満やメタボの対策として、これまでのような脂質だけにフォーカスするのではなく糖質の過剰摂取を抑制していくことが効果的になります
糖質をコントロールしていくには低GIダイエットがもっとも効果があるのです。
低GIダイエットの方法(やり方)
低GI値とは
正式名称:Glycemic Index(グリセミック指数)
要はこの数値が高い食材ほど、ダイエットの天敵と言えるのです。
低GIダイエットは、普段の食事の中で主食とするものをGI値の高いものから低いものへ置き換えていく手法のこと。
普段口にしている主食の食材一部のGI値を下の表で確認してみましょう。
これらは普段主食として食べているメインのものです。
ここで気づくことは、カロリーの高さとGI値が比例していないこと。決してカロリーが高いからといって、GI値も高いということはないのです。
フランスパンって意外とGI値めちゃ高いし、クロワッサンは逆に低めなんですね。
低GIダイエットで効果を出すためには、このように普段食べる食品をGI値の高いものから低いものへ置き換えることがポイントです。
高GI値から低GI値の食品に置き換えて血糖値の上昇をコントロールする
低GIダイエットの方法は、高GI値の食べ物から低GI値の食べ物に置き換えていくだけです。
それにより血糖値の上昇をコントロールしてインスリンの過剰分泌を抑制していきます。(なぜそれが効果的なのかの仕組みは後述いたします。)
どうやって置き換えていくか
例えば上の表を見て思い浮かべながらすると簡単です。
精製してある白い穀類はGI値が高い傾向があり、それを無精製の茶色の穀類に変えていくような感じです。
要は、
- 白米 → 玄米
- 食パン → 全粒粉パン・玄米パン
- うどん → そば
のようなイメージです。
よくランチ定食を頼んで「うどん」か「そば」を選べるシーンがありこういう人がよくいます。
「俺、ダイエット中やからうどんよりカロリーの低いそばを頼むわ!」
ダイエットを意識した際に選び方は合っていますが正確な解釈としては、
- カロリー:「うどん」<「そば」
- GI値:「うどん」>「そば」
となります。
話を戻しますが、日本の食生活において最も割合が高い栄養素は「穀類」から摂取する糖質です。
なので、上で説明した「米とパンとめん」などの主食をGI値の低い食べ物へ置き換えることで、低GIダイエットの大半が出来てしまうのです。
よく知られている低インシュリンダイエットも低GIダイエットと同じで、血中の糖分を脂肪細胞に貯め込む作用があるインスリンを必要以上に分泌させないように食材や食べ方を工夫したダイエット法なのです。
他の栄養素(タンパク質・脂質・食物繊維)を一緒に摂る
食の際には食材に肉や魚介類・豆・乳製品からタンパク質や脂質、野菜や海藻から食物繊維を必ず一緒に食べてください。
なぜならこれらの栄養素は糖質と消化管壁の間に堤防のような役割を果たしてくれ、急激な糖質の吸収によるインスリンの分泌を抑制してくれるからです。
低GIダイエットは糖質制限と違い、無理なく痩せていくことができる
似ているようですが、低GIダイエットは糖質制限ダイエットとはやり方や仕組みが全く違います。
低GIダイエットは高GI値のものから低GI値のものへ置き換えていくダイエット法。
糖質制限ダイエットは字のごとく、普段している主食である炭水化物やスイーツなどを丸々抜いていくかコントロールして我慢していくダイエット方になります。
糖質制限ダイエットはけっこう気合が必要であったり、過度な糖質制限によりリバウンドや続かなかったりするケースが多いなどのデメリットがあります。
しかし、低GIダイエットは食べ物の量自体はそれほど制限しなくても、食べている内容を置き換えるだけなので気合と根性で我慢して壮絶な断食などをしなくて良いので、長続きしやすいというメリットもあります。
低GIダイエットが痩せていく仕組み
以下のワードがキーポイントとなります。
- 糖質
- 血糖値
- インスリン
- 低GI値
順に詳しく説明していきます。
糖質と血糖値とインスリンの関係
糖質を過剰摂取すると血糖値が上がり、インスリンというホルモンが分泌されます。
血糖値の急激な上昇はダイエットの大敵です。
なぜ血糖値の上昇がダイエットに悪影響なのでしょう。
糖質の過剰摂取は血糖値を上昇させてインスリンを分泌する
普段僕たちが口にしているご飯の中で最も早く吸収される栄養素は糖質です。
この糖質が体内に吸収されるとすぐに血糖値の上昇が起こります。この時に、膵臓(すいぞう)のβ細胞(ランゲルハンス島)からインスリンというホルモンが分泌されます。
このインスリンが過剰分泌されるとダイエットの邪魔になるのです。
僕たち人間があらゆる活動をするためのエネルギー源として、血中には常に糖分などが流れています。
糖質の摂取が多くなることで血糖値が急上昇すると、血糖値を下げる唯一のホルモンであるインスリンが必要以上に分泌されてしまいます。
インスリンが必要以上に分泌されてしまえば血中のエネルギーを筋肉や肝臓以外の脂肪細胞に溜め込み続ける状態へとなってしまいます。
その溜め込まれたエネルギーは体脂肪へと変化し、これが肥満の原因へとなってしまうのです。
過剰なインスリン分泌が肥満に繋がる仕組み
過剰にインスリンが分泌されて、血液中の糖分などのエネルギーを体内貯蔵へと導く具体的なフローは以下のとおりです。
- 糖質過多により、食後、急激な血糖値の上昇が起こる
- インスリンの作用により、血液中の糖質がグリコーゲンという貯蔵エネルギーに変化する
- 血液中のグリコーゲン貯蔵量の上限は20g
それを超えた分は筋肉中に蓄えられる- 筋肉中のグリコーゲン貯蔵量の上限は200〜250g
それを超えた超えた分は肝臓へ蓄えられる
(通常はこの辺りで通常の血糖値に戻る)- 肝臓のグリコーゲン貯蔵量の上限は150g〜200g
- 過食や糖質過多の場合、これを変えた量が摂取されると血糖値は下がらない
- その結果、超過分は全て脂肪細胞の中に体脂肪として蓄えられていく
(脂肪細胞に上限はない)
これはヒトが食べたものがエネルギーとして蓄えられるフローですが、同時に過剰な糖質摂取は太らせるメカニズムでもあります。
脂肪細胞には貯め込む上限がないのは、恐ろしいですね。
痩せるためには、この肥満ホルモンともされているインスリンを低く抑えることが重要なので、低インシュリンダイエットや低GIダイエットが注目されているのです。
高GI値が有効な場合もある
ダイエットを無視して考えると、高GI値が有効になるケースもあります。
激しいスポーツ直前の栄養補給
試合の直前に、ブドウ糖錠剤やサプリを飲んだ経験がある人もいるかと思います。
速攻で吸収できる糖質を含む高GI値食品を少量食べることで、スポーツ中の血糖値が上がり、運動効果をアップさせる効果が期待出来ます。ドーピングではないですよ。
風邪を引いて体力が低下したときの栄養補給
仕事があるのに風邪を引いてダウンしてしまった時、とりあえず病院にいってブドウ糖の注射を打って復活して会社に行った経験がある人もいるでしょう。アレです。
なので、風邪の時は、うどんなどの高GI値の食品が有効になります。
まとめ
低GIダイエットはカロリーにフォーカスしたダイエット法ではないので、自分の食べたい食材が自由に選べます。ただ、その食材の種類のチョイスをしっかり考えることは重要です。
高GI食品は限られています。別に全てを覚えなくても良いのですが主要のものだけを覚えておき、GI値を下げる食べ方や調理のポイントを押さえておけば簡単に低GIダイエットは行えます。
なので、カロリー制限などの無理した食事制限でのダイエット法に比べ、栄養も偏らないのでストレスなく継続してダイエット続けることができるのです。
もちろん、今までのカロリー制限でのダイエットとミックスさせると効果倍増ですよ。ギブアップしそうなかたは、低GIダイエットにスイッチしてみてはいかがでしょうか。
本気で痩せたいなら以下の記事も合わせて読むと効果的
【参考】ダイエット中の食事で正しいカロリーコントロールの仕方