トレーニーやアスリートの間で、筋トレサプリメントに関して「プロテインやクレアチン以外で何を選ぶ?」という質問に対してダントツで回答が多い「フィッシュオイル」。
フィッシュオイルの効果は筋トレやダイエットにかなり有効なので、ボディメイクには必要不可欠です。
でも、情報が少ないため一般の人達には認知度が低いのか、なかなか浸透していないようです。
フィッシュオイルが筋トレやダイエットに効果的な理由を詳しく紹介いたします。
ボディメイクのサプリ選びで迷っている人のお役に立てれば幸いです。
目次
フィッシュオイルとは?
そもそもフィッシュオイルとは何か?
フィッシュオイルは直訳すると字のごとく魚油のこと。サバやイワシ、サンマなどから多く取れる油です。
このフィッシュオイルには、必須アミノ酸と同じように人体に欠かせない脂肪酸である必須脂肪酸が含まれています。必須脂肪酸は、体内では合成できないため必ず外部(食事)などから摂取しなければならない不飽和脂肪酸の一種です。
ちなみに、脂肪酸には以下の2種類があります。
- 飽和脂肪酸
- 不飽和脂肪酸
飽和脂肪酸は肉や乳製品に多く含まれていて、不飽和脂肪酸はさらに以下の2つに分かれます。
- 一価飽和脂肪酸 ・・・ 植物に多く含まれる
- 多価飽和脂肪酸 ・・・ 魚に多く含まれる
この多価飽和脂肪酸に含まれていて、特にn-3系脂肪酸のEPAとDHAが筋トレやダイエットに効果的なのでこの2つの脂肪酸を含んだフィッシュオイルがボディメイクには有効で注目されています。
脂肪酸のざっくりとした概要は以下の表の通りです。
分類 | 主な脂肪酸 | 多く含まれる食品 | ||
飽和脂肪酸 | バルチミン酸 ステアリン酸 ミリスチン酸 ラウリン酸 |
パーム油、ヤシ油、豚脂、ラード、牛脂、バターなど | ||
不 飽 和 脂 肪 酸 |
一価不飽和 脂肪酸 |
オレイン酸 | オリーブ油、キャノーラ油など | |
多 価 不 飽 和 脂 肪 酸 |
n 6 系 脂 肪 酸 |
リノール酸 | ヒマワリ油、コーン油、ごま油など | |
アラキドン酸 | レバー、卵白、サザエ、伊勢海老、アワビなど | |||
n 3 系 脂 肪 酸 |
α−リノレン酸 | シソ油、えごま油、亜麻仁油など | ||
DHA (ドコサヘキサエン酸) |
ホンマグロ脂身、養殖マダイ、ぶり、さば、ハマチ、うなぎ、サンマ、サワラなど | |||
EPA (イコサベンタエン酸) |
ハマチ、マイワシ、ホンマグロ脂身、さば、マダイ、ぶり、うなぎ、サンマなど |
飽和脂肪酸は体内では特に血管壁に付着しやすく、悪玉と呼ばれるLDLコレステロールを増やして動脈硬化や脂質異常症の要因になることもあるので摂りすぎには注意が必要です。
30代を超えたあたりで健康診断でよくメタボリックシンドロームに引っかかる原因でもありますね。
逆に不飽和脂肪酸は体内でも固まりにくく、貯められにくいです。不飽和脂肪酸の代表がオリーブオイルのオレイン酸で、LDLコレステロールを減らす働きがあります。
フィッシュオイルに含まれるオメガ3系脂肪酸やEPA/DHAとは
このフィッシュオイルに含まれる必須脂肪酸は、上記の表の通り主にオメガ6(n-6系脂肪酸)とオメガ3(n-3系脂肪酸)に分けられており、摂取比率は4:1が理想とされています。(厚生労働省「日本人の食事摂取基準より」)
オメガ6脂肪酸はサラダオイルなどの植物性油に含まれており、欧米化が進んだ日本人の食生活では過剰摂取気味とされています。
対して、オメガ3脂肪酸(特にEPAやDHA)は、サバ、マグロ、サケなどの魚類に多く含まれていますが、現代日本人の食生活では不足していることがほとんどです。
オメガ6=n-6系脂肪酸
成分 | リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸 |
一日の必要量 | 7.0〜12g/日以上 |
含まれる食材 | コーン油、大豆油などの植物性油 |
欠乏症 | 湿疹、ニキビ、乾燥肌 |
過剰摂取気味なので、控えた方が良い。
オメガ3=n-3系脂肪酸
成分 | αリノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA) |
一日の必要量 | 2.0〜2.9g/以上 |
含まれる食材 | 青魚、サケ、マグロ |
欠乏症 | 湿疹、ニキビ、乾燥肌 |
不足気味なので積極的に摂取した方が良い。酸化しやすい。
オメガ3系脂肪酸は、体内での炎症反応や血管に由来する様々な症状を予防する効果も期待できます。
これらの健康上のメリットだけでなく、フィッシュオイルの主成分であるオメガ3系脂肪酸のEPAやDHAは筋トレやダイエットにとても効果的なのです。
筋トレやダイエットにおけるフィッシュオイルの抜群の効果
フィッシュオイルに含まれるEPAやDHAは筋トレやダイエットにどういう効果があるのでしょう。
残念ながらフィッシュオイルはプロテインやHMBのように直接は筋肉を付けたり痩せたりする効果はありません。フィッシュオイルは「縁の下の力持ち系のサプリ」で筋肉増強を強力にサポートしてくれるのでオススメです。
ボディメイク時において、フィッシュオイルは大きく以下の6つの効果があります。
①筋トレ時の筋肉の合成を促進し、筋肉の分解を抑制する
ボディメイク時に必要不可欠である筋肉をつけることに関しての代表的な効果として、フィッシュオイルに含まれているオメガ3系脂肪酸のEPAとDHAが筋肉の合成を促進してくれることが挙げられます。
また筋肉の合成の促進だけでなく、筋肉を長時間アナボリック状態にしてくれたり筋肉の分解を抑制してくれます。
これらの働きが筋肉の成長を強力にサポートしてくれます。
②筋トレ後の成長ホルモンの分泌の促進
筋肉の成長にとって大切な成長ホルモン。筋トレ後にどれくらい分泌されたかで筋トレの成果が変わってきます。
実はフィッシュオイルに含まれるオメガ3脂肪酸のEPAやDPAは成長ホルモンの分泌を促進してくれる効果もあるのです。
③筋トレ時にインスリンの感受性が高くなり筋肉への栄養供給がスムーズになる
ボディメイクをしている人は、「炭水化物」は余ってしまうと脂肪に蓄積されてしまうので通常の人よりも少なくなっています。炭水化物の摂取が少ないのに伴って、インスリンの分泌量も少なくなります。
ダイエットにおいてインスリンは細胞に脂肪を溜め込んでしまうため少ない方が良いと思われがちですが、それだけではありません。実は、筋肉に必要な栄養も血液中を通って細胞に溜め込みます。
なので、インスリンの分泌が少なすぎると筋肉がつきにくくなり、結果的にボディメイクが難しくなります。
脂肪になってしまう炭水化物を摂取することなくインスリンをうまく分泌させたい時に、フィッシュオイル(EPAやDHA)のオメガ3系脂肪酸がインスリンレベルをあげてくれるのです。
④筋トレによる筋肉の損傷の回復効果
フィッシュオイルに含まれるEPAとDHAには炎症を抑える効果があるので、トレーニング後の疲労を軽減してくれる効果もあるとされています。
筋トレ後にフィッシュオイルを摂取することで、トレーニングで酸化した体を癒してくれる効果を期待できます。
⑤コレステロール値や中性脂肪を減らす効果
EPAやDHAのオメガ3脂肪酸はが中性脂肪を減らしてくれる効果があります。
中性脂肪は内臓を守ったりエネルギーになったり体温を一定に保ったりしてくれるのである程度は必要ですが、使い切れずに残ったものは内臓脂肪や皮下脂肪に溜まってメタボの原因担ってしまいます。
オメガ3(EPA/DHA)を摂取することで、体脂肪を付けにくくする働きがあるのです。
⑥その他、健康上いろんなメリットがある
そのほかにも、歳を重ねるごとに骨密度が下がってきてやわくなるのを抑えてくれる骨の健康促進効果もあります。
また、セロトニンというホルモンの分泌をサポートしてくれることによる気分の向上効果や、血液をサラサラにしてくれるので動脈硬化の予防をしてくれる効果も期待できます。
フィッシュオイルのおすすめの摂取の仕方
フィッシュオイルは上述の通り筋トレやダイエットのかなり効果的ですが、その中でも特に摂取したい成分はオメガ3系脂肪酸のEPAとDHAです。
なので、フィッシュオイルサプリの効果はDHAとEPAが含まれている量で決まるのでサプリを選ぶときはどれくらい入っているかで選びます。
フィッシュオイルの理想的な摂取量は?
フィッシュオイルに含まれているEPAとDHAの理想的な摂取量は合わせて毎日1000mgです。厚生労働省も推奨しています。
しかし、比較的によく魚を食べる習慣のある高齢者でも1000mgには足りておらず、特に世代が若くなるにつれてより不足しているケースが多いです。特に、トレーニングをしている人などは、さらに必要になってきます。
毎日の食事で不足したEPAやDHAを補おうとして魚を食べて補おうとするとかなりの量を食べなければならないので、栄養のバランスが崩れてしまいます。肉体的にも経済的にも現実的ではありません。
フィッシュオイルやEPAとDHAサプリで補充してあげるのがベストなのです。
フィッシュオイルを摂取するタイミング
フィッシュオイルを摂取するタイミングは、食後がベストだとされています。食後に摂取すると消化効率が良いからです。
また食事中でも大丈夫らしいですが、食事中にフィッシュオイルを摂取すると副作用の一つである、「ゲップをすると魚臭い!」ってのがある程度防げるので気になる人は食事中に飲みましょう。
フィッシュオイルのサプリはほとんどが一日3粒を推奨しています。なので、毎食後に摂取しておくと間違いないです。
フィッシュオイルの副作用
副作用としては、上述の通りゲップをすると魚の匂いがすることがあります。
また過剰摂取すると人によっては下痢気味になることもあるそうなので、適切な量を摂取しましょう。
まとめ
フィッシュオイル(EPAとDHA)は、単に魚を食べる量が減ったから健康のために補うというレベルでなく、ボディメイクにおいて今回ご紹介したような様々な効果があるので必須のサプリメントだと思います。
しっかり効果を確認して、あなたの理想のボディメイクに活用してください。