「糖質制限」はダイエットで人気が高い方法の1つです。
「糖質=体脂肪の元」ですからね。
でも、正しい知識なしに自己流の糖質制限ダイエットをやれば逆に太りやすくなってしまうリスクがあります。
たとえば多くのダイエッターさんがやってしまいがちな過度な糖質制限。痩せたいと思う気持ちが強すぎていきなり「今日から炭水化物を完全に抜きます!」と意気込んで、急激に無理な糖質制限をしてしまい失敗パターンに陥るケースが多々あります。
なぜ失敗するのか。摂るべき糖質とカットするべき糖質があり、それを知らずに何でもかんでも糖質カットしてしまうからです。
詳しく解説いたします。
これさえわかれば痩せるのは簡単です。
目次
糖質制限ダイエットとは?
まず糖質制限ダイエットをおさらいしておきましょう。
世間で流行っている糖質制限とは普段の食事の中で1日に1食〜2食、極端な場合は3食全ての主食や糖質をカットするダイエット法。
主食や糖質をカットするために、誰もがだいすきなごはん・パン・麺類などの主食の炭水化物や甘いもの、もちろんアルコールもビールや日本酒などの糖質の多いものは避けていきます。
糖質を避ける代わりにエネルギー補給としてタンパク質が多いものをしっかり食べるというのが基本的なやり方なので、食事制限でなくお腹いっぱい食べれるのでダイエットの初心者でも比較的入りやすく人気のあるダイエット法です。
そもそも糖質とは?
「糖質」とは炭水化物から食物繊維を抜いたものの総称とのことです。
冒頭でも書いた通り、糖質=体脂肪の元と思われ悪者のイメージが強いですが、本来糖質とは脳と体を動かすための大事なエネルギー源です。
糖質は消化吸収されて血液と一緒に全身をめぐり、体の中で1gあたり4kcalのエネルギーになります。
特に脳にとっては血液中の糖質(ブドウ糖)が主なエネルギー源なので、極端に糖質が不足すると脳は機能しなくなります。
また糖質は別のネルギー源である脂質やタンパク質と比べるとすばやく使えるという特徴があり、短中距離走などは糖質からエネルギーが使われます。フルマラソンなどの長時間の運動は主に脂質が使われます。
糖質の体内での存在量は意外に少なく、血液中のブドウ糖のほか肝臓や筋肉にグリコーゲンとして少量を貯蔵しているだけ。なので過剰に糖を摂りすぎると行き場を失った糖は体脂肪として蓄積されていきます。
糖質は体の中の重要なエネルギーで、1日に必要な総エネルギーのおよそ半分は炭水化物によってまかなわれています。
これを丸々カットする糖質制限ダイエットをするならば、エネルギーを確保するためにはタンパク質などの肉を大量に食べる必要があります。
糖質制限ダイエットのメリット
糖質制限ダイエットの主なメリットとして以下の項目が上げられます。
- 食事制限をせずにお腹いっぱい食べながらダイエットができる
- タンパク質である肉や魚をお腹いっぱい食べることができる
- ダイエット中なのに全く空腹感を感じにくいのでストレスが少ない
- 無理なく健康的に痩せることができる
- 30代以降に多い、肥満や生活習慣病の予防も繋がる
ただしく糖質制限をすると早い人であれば1週間ほどで効果が実感できるらしいです。
過度な糖質制限ダイエットのリスク
糖質をまるまるカットしてしまうような過度な糖質制限ダイエットをしてしまうのは以下のリスクがあるので注意が必要です。
- コレステロール値が跳ね上がる
- 体を動かすエネルギーを確保できない
- 筋肉からエネルギーに分解しようとする
- 内臓に負担がかかる
糖質制限を始めて肉食に偏った場合、コレステロール値の上昇が見られる人が多いようです。
また、運動する際は体を動かすエネルギーを確保する必要があります。最も早くエネルギーに変換される栄養素は炭水化物に含まれる糖質です。でも過度な糖質制限のおかげで体内にプールされていないので、筋肉などのタンパク質から分解してエネルギーに変換しようとしてしまいます。
筋肉が減ってしまうと基礎代謝が下がり逆に太りやすく痩せにくい身体になってしまいます。
それだけではなく内臓にも大きな負担がかかります。糖質がないためタンパク質から新たに糖を生成しようとする「糖新生」という作業は肝臓で行われます。
肝臓は栄養素として吸収したアミノ酸からタンパク質を合成したりしますが、そこに余計な糖新生という余分な負荷がかかることによりタンパク質を筋肉にする作業の邪魔をしてしまうリスクもあるんです。
糖質制限をして逆効果になり失敗に終わるケース
上の過度な糖質制限ダイエットのリスクの中で最も注意が必要なことは、体内がエネルギー不足になることで筋肉のタンパク質を分解してエネルギーに変える作用です。
何度もお伝えしているのですが、ダイエットのキーポイントになる「太りにくく痩せやすい身体」を作るためには基礎代謝を上げることが重要です。
基礎代謝の割合の20%ほどを筋肉が占めているので、効率よく脂肪燃焼をさせてたいのであれば筋トレもして筋肉をつけることを推奨しています。。
しかし過度な糖質制限によって足りなくなったエネルギーを作るために、せっかく鍛えた筋肉がどんどん分解されていてはなかなか代謝の高い体を作ることはできません。
適度な糖質制限は推奨しますがやりすぎると逆に痩せにくくなりよくある失敗パターンになってしまうので注意が必要です。
正しい糖質制限のために知っておかなければならないこと
失敗しないためには単純に糖質制限だからと言ってすべての糖質を制限するのでなく、カットすべき糖と摂取すべき糖を正しく理解しておく必要があります。
糖質の性質を知る
単糖類
- ブドウ糖(グルコース)、果糖(フルクトース)、乳糖(ガラクトース)
二糖類
- 麦芽糖 = ブドウ糖 + ブドウ糖
- ショ糖 = ブドウ糖 + 果糖
- 乳糖 = ブドウ糖 + ガラクトース
多糖類
- でんぷん = ブドウ糖 + ブドウ糖 + ブドウ糖 ・・・
単糖類と二糖類の多くに強い甘味があり、消化吸収が早く血糖値を上げやすい。一度に大量に摂取するのを控え必要がある。
甘味を持った糖質(単糖類、二糖類)の摂取する可能性があるシーンは多く、ケーキ、コーヒー、和菓子、菓子パンなどいたるところに潜んでいるから気をつける。
カットすべき糖質は
ブドウ糖(グルコース)
ブドウ糖は脳のエネルギー源。これがないと脳が死なないように筋肉や他の細胞を分解してエネルギーを作ろうとする。結果的に痩せるがけして魅力的なボディではなくヤツれるという表現に近い痩せ方
果糖(フルクトース)、ガラクトース
果糖やガラクトースは脳のエネルギーにならず、体のエネルギーになるが1/3は中性脂肪へと変わる。
本来の糖質制限ではこの糖をカットする必要がある
ブドウ糖は摂取しなければならず、果糖やガラクトースはカットする。
ブドウ糖の摂取目安は?
ブドウ糖は脳のエネルギー源だとお話ししましたが、脳は24時間で約120gのブドウ糖が必要と言われています。
お茶碗一杯分のお米で40gほどのブドウ糖が含まれているので、1日3食と仮定すれば120g。
1日最低120gは摂取したいところなので、脳が必要とするエネルギーが取れない場合は糖新生で筋肉を分解してエネルギーを産生しようとするので気をつけましょう。
普段から間食でしっかりプロテインなどからタンパク質を摂取する習慣にしておくのがおすすめです。
まとめ
食べ過ぎによって「体脂肪の元」になってしまう炭水化物を丸々カットするのは、確実に脂肪が落ちます。というかヤツれますので決してスタイルが良くなるわけではありません。
体重や脂肪量が減ったからといって引き締まった身体であるとは言えませんよね。
理想のボディはそれぞれあるかと思いますが、引き締めたいとかリバウンドしたくない人は筋トレをして筋肉をつけながら引き締めていくことが重要です。
理想のボディをゲットするまでは簡単ではなく負担がかかります。正しい知識で減量に取り組んで成功することを応援しています。